バックカントリー 乗鞍岳 2008年4月30日(水)

YT

2008年05月01日 01:44



今シーズン2度目の乗鞍岳バックカントリー。今回は三本滝レストハウスから登る
新緑の野山を歩きたいと思いながらも、やはり残雪のテレ山行は外したくない。なぜならこのためにゲレンデ修行を重ねてきたのだから。
厳冬期のBCはまだまだ無理だけど、残雪期に入った今ならゲレンデで培った技術が生かしやすいだろうし。

今回はノノリンさんと前回、完膚なきまで叩きのめされた乗鞍岳へ行ってきました。
落ち着いてなかった雪質も今時期なら少しは変わっていることだろう。

前夜11時に出発し高山経由で三本滝レストハウスに2時に到着。ゲレンデシーズンに見たレストハウスが駐車場のある普通の施設に変わっているなんてチョッと新鮮だ。駐車場には大型連休の合間だからか車は2台と少ない。早速テントを設営して仮眠。寒いかなとフリース2枚と薄手のダウンを羽織ったけど寒さもあまり感じず快適に寝れました。

外が明るくなってきたので6時半に起床し、のんびり準備しながら朝ごはんを食べる。天気は予想通り雲ひとつないさわやかな青空だ。
今回のマテリアルは自分はいつもと変わらず愛機ワールドピステですが、ノノリンさんは購入した革靴を試すべくステップソールの10thマウンテンを使用するとのこと。あくまでうろこで登りたいらしく、シールなしで厳しくなったらつぼ足に変えるとのこと(大丈夫か?)


           
スタートはゲレンデ営業中は大きなバーンとなるカモシカゲレンデの下から。この急な斜面を登るなんて憂鬱だが、シールの吸い付きもよく快適に登れる。しかしうろこで快適に登れないノノリンさんはスタートしてすぐ断念速攻で車に戻りベクターグライドのオムニーにチェンジしてきました。      


           
再スタートからはノノリンさんが駐車場でお会いした知り合いのテレマーカーさん2人が加わる。でもこの人たちの登るスピードの速いこと ペースをあわせると後で大変なことになりそうなので自分は最後尾でペースを変えずに進みました。空は本当に雲ひとつない快晴でツアーコースの木々の上には剣ヶ峰が白い姿を出している。


            
ダラダラとしたツアーコースも位ヶ原への入り口は中々の急な斜面となる。でも前回と違い雪が締まっていたので最後まで直登出来ました。


            
急斜面を越えて休憩した後少しの登りを越えて位ヶ原に到着。この広大な景色はいつ見ても素晴らしいなあ。前回はきつかった風も今日は微風で火照った体には調度イイ冷房だ。


            



ここで滑走ポイントをお互いに変えノノリンさんと知り合いのテレマーカーさん2人は麻利支天岳と富士見岳あたりの斜面へ、自分は大雪渓の方へと分かれました。まあ初心者の自分にはまだまだ無難なところで滑らなくてはね            


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位ヶ原入り口あたりからは見えていた稜線の肩の小屋も大雪渓を登るにつれ斜面に隠れて見えなくなった。斜度は緩いけど進めど進めど近づかない肩の小屋にまだかと言いたくなるけどあせらずゆっくりゆっくり。
途中で抜かされたATの2名は驚くほど速かった 自分はテレマーカーだがATの機動力の高さには毎度のことだが驚かされる。


            



自分は最初から剣ヶ峰に行くつもりでいたが、時間も押してきているので肩の小屋経由でなく途中から朝日岳に向けて直線で登ることにする。位ヶ原への東の斜面は遠めではわからなかったけど近づくと一面シュカブラで覆われていました。滑るにはイヤだけど写真の構図には最適です。


            
シュカブラ帯から稜線の方に進行方向をずらすと今度は一面きらきら輝くザラメ帯に変わる。滑るには調度良さそうな雪だ。


            
先ほど抜かれたATの2名さんも稜線をガシガシ登っている。


            



朝日岳手前でこのまま進もうか迷ったけど時間も押しているから、ここで終了し滑る準備に入る。下を見ると肩の小屋の屋根で昼寝をしている人が見えた。        
朝日岳から肩の小屋までの斜面は稜線上のほうがシュカブラが少なく気持ちよくターンして降りれた。その後肩の小屋にザックをデポして大雪渓を半分くらいまで滑り板かついで戻る。
 


            
肩の小屋でノノリンさんに現在地を携帯で確認すると麻利支天の斜面を滑る準備をしているところだったので、自分も肩の小屋から少し滑り降りてトラバースし合流しました。


             



大雪渓は前に滑った人のシュプールや足跡で大分荒れていたけど麻利支天から富士見岳の間の斜面はほとんどノートラックに近い状態。おまけに雪質も柔らかく思いっきり楽しい滑りが出来ました。


             



麻利支天から大雪渓入り口のトイレに降りてノノリンさんがザックを回収した後は位ヶ原山荘方面に滑り降りました。こちらも人があまり入らないのかノートラックの斜面が食べ放題 車道が開通したら滑れないのだろうけど本日で一番面白い斜面でした。これなら位ヶ原山荘に泊まって色々滑り倒す価値がありそうだ。


             
いったん左に位ヶ原山荘を見る車道に出るとツアーコースに合流する為、雪に埋まった車道沿いをシールつけて登る。遠くから見たときには結構登るんだなと思ったけど歩いてみると平坦に近い感じで楽でした。
 


            



除雪は位ヶ原山荘を過ぎたあたりまで進んでいた。ノノリンさん曰く昨年より雪が多いとのこと。もうすぐ位ヶ原山荘までスキーバスが入るが、斜面が除雪で分断されるのは複雑な気持ちだなあ。


             
車道沿いをツアーコースに向けて進むが途中見える乗鞍の綺麗な雪景色に何度も足を止めて眺めました。滑るだけでなくこういう風景に浸れるのもBC、登山の楽しさです。


             
ツアーコースに入ってからはスキー跡や足跡でギタンギタンになった雪の斜面に何度も転びそうになりながら(実際転んだけど)進む。最後の急斜面はほとんどコブ斜面で最初に滑ったノノリンさんは思いっきり5回転位してました 自分は怪我したくないから斜滑降やボーゲン、階段下りで下りました ツアーコース入り口のこの斜面、登りも下りも大嫌いです。これがなければ最高なんだけどなあ。


             
いったん車道に出てアスファルトの上を歩き。カモシカ中間部で休憩した後は荒れてない斜面を選んでゴールしました。

今回は行動時間が計8時間以上と動き回った一日になりましたが。
乗鞍岳のいろんなことが理解できた充実した一日でした。スキーを始める前はあんな車で上に上がれるラクチンな山は登る山じゃないと富士山と同じように毛嫌いしていたけど、テレマークを始めてこの山は登る山じゃなく滑る山だと理解しました

ノノリンさん 色々お世話になりありがとうございました。また次回もよろしくです。

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