平冬季小屋の夜も快適で8時間熟睡
今日はいよいよ3,000mより上の世界へ出発だもちろん戻ってきますが
夜明けの槍平。いい天気です
ノノリンさん、さあいこうか
雪崩に流された木。自然の力は凄い
昨年1月1日に雪崩のでた沢。心の中で犠牲者に黙祷
飛騨沢源頭は右に大きくカーブした先にあるのでまだ見えない
YASUHIRO先生の記録に出ていたでかいデブリの壁
カーブの曲がり角に突入したが中々本丸は見えない。
しんどくて中々上に進まない中ようやく飛騨沢源頭部が見えてきた。
先に進んでいたノノリンさんがウェアを着込んでいたので自分も合流。標高が上がるにつれ暖かかった下とは違いかなり冷え込んできた。
斜度もだんだん急になり出だしのフィルムクラストした柔らかい雪からクランポンがギシギシ噛む硬い雪になる。
クランポンの調子がいいのでこのまま上に上がれそうだが小屋の方が今日の天気だと上は緩まないよとノノリンさんに言ったそうで、滑落の恐怖がよぎりだしたのでノノリンさんに飛騨乗越リタイヤ宣告した
自分の今の技術だと100%転ばずに滑れる可能性が無いのでこれは仕方ないと自分に言い聞かせました。ノノリンさんはもう少し上の斜度が緩くなったところまで行くとのこと。
さてザックと板をピッケルのアンカーで固定し、メットとゴーグルを着けビンディングの可動部が凍っていたのでポットのコーヒーで溶かす。走行しているうちに雪は見る見るうちにザラメの手前まで柔らかくなってきた。ちきしょうもう少し上まで行けばよかったかな。でもどこから滑っても飛騨沢は飛騨沢だ。
まずはノノリンさんが上から滑走。雄たけびあげていい感じに滑ってる。うぉーアドレナリン沸騰してきたぞ~。
自分も続いてテレマーク開始。硬すぎず柔らかすぎずで下界のゲレンデでは考えられないいい雪だ。ターンが面白いように決まるぞ。
笠に向かってこの大斜面を滑る爽快感に泣けてきそうだ。
そのまま下部の沢が狭くなった部分に滑るのは面白くないので、大喰岳西尾根よりに滑る。ここは斜面が白くて雪質が良かった。
お互いにデジカメで撮影しながら思いっきりはじけるように滑る。このためにあの修行のようなアプローチを越えてきたのだから
飛騨沢の喉の部分にきたら下に行かずにトラバース
大喰沢を滑るノノリンさん
中ノ沢を滑る自分
小屋に戻ってデポしておいた装備をパッキングして下山開始。出だしからデブリの山なので難儀しました。
昨日よりも沢の雪の崩壊は進んでました
滝谷から先も雪の量は昨日よりもかなり減っていてもうシール歩行は限界。おまけにシールが水分吸いすぎて粘着力がなくなってしまったので。布テープで応急処置しながらなんとか進む。
白出まではもう薮漕ぎシールの限界ぎりぎり歩行で二人とも死にそうでした。
何とか白出について登山靴を回収し、わずかに林道を滑った後は拷問のように重い荷物を背負って、穂高平からは足元気をつけながらショートカットの道を進み。なんとか無事に下山しました。
到着して交わした握手は熱かったねぇ
ノノリンさん最初から最後まで色々と有難う。4年前野伏でノノリンさんのテレマークを初めて見たとき自分はワカンでしたが、まさかそのとき自分が山を滑るようになるとは思いもしなかったよ。そういことから考え始めると今回の飛騨沢は本当に感無量だったね。行きかえりの運転と道中のルートファインティングなど自分だけでは到底無理なことなので本当に感謝してます。 でも飛騨沢 行きなら雪がもう少し多い時期だね
追伸 現在の蒲田川の河原の歩行はやめたほうが良いです。可能な限り夏道を進んだほうがいいでしょう。槍平冬季小屋はかなりの利用価値がありましたよ。