山登りの目的はピークを踏むことといえば当たり前のようだけど、自分はピークを踏むことよりもどのルートで登るかの方がどちらかというと大事だ。
お手軽登山もいいけれど、山にはそれぞれ一番その山らしさを感じることの出来るルートがあり、それを歩かずしてさもその山を知ったようなことはいいたくない。ゆえに〇名山に何座登ったなんてまったく興味ないしナンセンスだと思っている。
で、御嶽山はというとメインルートの田の原口、ロープウェイからの道に人が集まり、開田高原キャンプ場から入る開田口はまさにマニアックであり変わり者ルート。なにせ標高1500mからスタートする開田口はコースタイム登り5時間30分、下り3時間30分と標高差、行程の長さともにこれに匹敵するルートは御嶽には無い。ネットで検索しても開田口の情報はかなり少ない。
ここまで情報が少ないとルートハンターの端くれとしてはものすごくそそられるものがあり、御嶽登るならいつかは開田口と決めていた。
そこで登山口のある開田高原の
ロッジ上天気のオーナーでテレマークスキーの師匠、上天気さんに以前から話を振っていたらご一緒して頂けることとなりました。
上天気さんは過去2回開田口から登ったことがあるらしく、一度は一人で登っていたらあまりにも雰囲気が気持ち悪くて引き返したそう「YTさん開田口は長いよ~」という上天気さんの口調はかなりリアルでした。
前日11時に出発して途中サービスエリアで仮眠を取りながら6時にロッジ上天気に到着。駐車場周辺の紅葉がすばらしいです。
今回は山のほかに上天気15周年記念で販売する上天気手ぬぐいが欲しかったので早速購入しました。これを頭に巻いて山の上で写真をとるのが楽しみだったので
登山口までは上天気さんのジムニーで向かいキャンプ場を経て20分くらいで到着。でも途中から未舗装になり狭くなるし登山口には駐車スペースがあまり無いので大きい車は厳しいかも。登山口周辺はまだ紅葉していました。ウォーミングを済ませたら登山届けをポストに入れていよいよ出発。
あるいてすぐ鳥居のある4合目避難小屋跡に着く(今は小屋は倒壊して跡形も無い)。ここには水場がある。鳥居をくぐると少し急な九十九折の道になりが、すぐに尾根に取り付き7合目まで緩やかな尾根をゆっくり標高をあげながら登る。あたりは一面苔に覆われていて人の手がほとんど入っていない美しさを見せてくれる。
ここまでの登山道は思っていたより急な箇所はなく比較的穏やかな感じだが、ところどころにある木道が壊れかけていて踏み抜いたり滑ったりするので注意が必要。7合目に近づいたことから木々の上に白いものが。麓から確認はしていましたが、どうやらここから上は雪が出てきそうだ。でも今日は上天気さんという頼もしいガイドさんがいてくださるので安心
登山口から2時間と少々くらいで7合目避難小屋に到着。もうこのあたりは地面も真っ白。左奥には白くなった麻理支天が見える。7合目避難小屋はすでに倒壊していて中に入るのは怖いが、これでも雨よけぐらいにはなるかな?御嶽の他の道ならすでに視界が開けているころだが開田口道はではこの時点でも樹林の中。
7合目から上は雪も一気に多くなり登山道もわかりにくくなってきた。慎重にルートを探してマークがわかるように雪をどかしながら登る上天気さん。
8合目を過ぎたあたりからは徐々に周りの視界も広がってきだす。隣の稜線はもう冬の姿だ。
9合目あたりからは完全に森林限界となり、登山道はガレた沢沿いを登るようになる。
開田頂上まであともう少しのところまで来たようだ。もうこのあたりは下界とは違い真冬の季節だ。このあたりから徐々に雪に足を取られ難儀しだす。
思わぬ雪に苦労も多いが、雪の御嶽山のあまりの神々しい美しさに疲れは沸いてきません。
何とか稜線までたどり着いたが、もうこのあたりは多いところで膝上まで雪がある。まさかのラッセルで苦労しながらもなんとか三ノ池避難小屋に到着しました。時間にして4時間30分。上天気さんのエスコートが良かったからかコースタイムより早く到着できました。避難小屋の中は思った以上に清潔で快適。ここで暖を取りながら昼食にする。
とりあえずせっかく来たからと三ノ池まで行ってみるが外はガスで真っ白だしマイナス気温で激さぶあきらめて小屋に戻りのんびりしていたら外から日差しが差し込んできた。思わず外に出ると先ほどのガスが消えだし青空が奇跡的に出てきた。これはチャンスだと二人で上天気手ぬぐいで登頂撮影しました。う~ん青空とこの手ぬぐいはベストマッチングだ
小屋に戻って荷物を担いで今度は三ノ池の稜線まで景色を堪能するため登る。この後見る景色に二人ともにやけたりはしゃいだりでまさに大きい子供のようでした(笑)
ではコメントなしで画像を堪能してください
写真が多くてコメント入れるのがきつかったのでショートカットしてしまいましたが、コメントなしでも堪能できたんじゃないかな(笑)
最後に稜線から降りるとき剣ヶ峰が姿を見せてくれました。
帰りは雪がいい感じにクッションになってくれて膝にも優しく霧氷を楽しみながら雪の上を下る。遥か下のほうにマイアも見えます。
行きは比較的早く感じたけれどやはり御嶽最長のルートは伊達ではなく下り3時間しっかり歩かされいい加減飽きたころにようやく四合目の登山口に到着しました。
歩いてみて開田口道は想像以上に渋くて良い道だと思った。確かに長いしハードだけど御嶽でこれほど自然の豊かな道は無いと思う。上天気さんありがとうございました~また来年も歩きましょうね~。といってももうすぐテレシーズンでお世話にならんといかんのだけど(笑)
行きは木曽福島から来たので、帰りは王滝村から帰りましたが、夕日に染まる御嶽と里の紅葉がきれいでした
注 御嶽山はすでに冬山の状態です。雪山登山の経験、装備、技術の無い方は控えたほうが良いと思います。