2008年09月15日
槍ヶ岳~穂高岳 08年9月10日(水)~12日(金)2日目
大キレットの飛騨泣きのナイフリッジを通過する人。ここは泣くのではなく楽しむところ?
山の朝は早い。8時には寝付くから当然目覚めも早くなるわけで目覚ましがなくとも4時には目が自然と覚めました。
外に出ると雲ひとつ無い綺麗な夜明け。これからの稜線歩きと大キレット越えを考えるとワクワクドキドキです。
5時30分に小屋を後にする。今日の目的地である穂高岳山荘を目指してますは目の前の大喰岳に向かう
飛騨乗越を越え大喰岳への道をジグザグに登る。左手側には常念岳が朝日を浴びている
飛騨乗越からは一踏ん張りで大喰岳に到着。槍を間近で見るいい展望台だ。
大喰岳からは一度下り簡単な梯子やクサリ場を越えて中岳に到着。まだまだ楽しい稜線歩きです
中岳からはモレーン(氷河で出来た岩屑の一帯)の中を下る。甲斐駒の仙水峠のような雰囲気。
モレーンを下ると再び稜線は緩い道になる。穂高まで果てしなく続く感じがいいな~。
天狗原の分岐を超えて南岳に到着。優しい稜線歩きもここまで。
南岳から少しの下りで南岳小屋へ。小屋よりも北穂の大きな岩壁がチラチラ気になる。
南岳小屋で水分補給し、大キレット越えに備えて入念にストレッチ。気持ちは落ち着いてると思っても心臓はドキドキしてます。それにしてもここの小屋は中も綺麗で雰囲気が良かった。次回は南岳新道~天狗原なんかで使ってみよう。
小屋からは少し登るとキレットへの道と展望台である獅子岩がある。目の前の北穂にやる気が沸いてきた。
最初から岩場の急降下かと思っていたら、普通につづら折の下りで少し拍子抜け。ただとてもザレているので滑らないように注意が必要。
ざれた下りはすぐに終わり今度は岩場の急降下。情報では簡単に扱われているこの南岳の南壁ですが、結構高度感もある立派な岩場です。でもこういうところは楽しまなきゃだめ。途中2つの梯子を下り30分ぐらいでキレットの底に下りる
キレットの最低鞍部から長谷川ピークまでは比較的安定した道が続く。一部細いところもあるけどこれからの難所に比べたら何てこと無いだろう。
途中すれ違ったカップルの登山者が南岳南壁を見上げているところがいい雰囲気だったので写真を撮りました。
大キレットの中間地点に横尾本谷に下りる明瞭な踏み後があった。これはエスケープルートになるのか?北穂池にもいけるのかな?
本日最初の難所である長谷川ピークへ登る。稜線をまっすぐ登るのかと思いきや、まずは飛騨側から巻きトラバース気味に登っていく。
道もだんだん細くなり、最後は馬の背のようになる。そしてせま~い長谷川ピークの頂上に到着。凄い高度感!南岳南壁がいい眺めだ。
北穂池が見える。あそこは一般ハイカーには到着不可能だそうだ。
長谷川ピークからはナイフリッジの刃を信州側から飛騨側に乗り換えたりしながら下降していく。周りは遮るものがないからものすごい高度感。下を恐る恐る見たらどちら側も100m以上は切れ落ちているて久々に泣きそうになった。同じ系統としたら戸隠山の蟻の戸渡りがあるけどあれより怖かった。
長谷川ピークはしばらく刃の上を進み次は飛騨側に壁を降りる。ここも落ちたらさよならですが、足場はしっかりしているので慎重に降りれば大丈夫。
馬の背の綱渡りから開放され安心できる休憩地点のA沢のコルに到着。ここでザックをおろして行動食をとる。いよいよこれから核心の飛騨泣きに突入だ
まずはつづら折気味にグズグズの岩壁を登っていく。このあたりはマーキングも明瞭でなんてこと無い。
振り返ると長谷川ピークの全容が見えた。ほんとあんなとこあるいたのかよ~
特に難所という難所はなく淡々と岩を登っていきながら下を見るとA沢のコルで休んでいる人が米粒みたいに見えた。
岩壁を飛騨側に巻きながら進むとネットや雑誌でよく見る三角岩に到着。
下を見ると確かに奈落の底まで切れ落ちているが思っていたほど怖くない。正直飛騨泣きは全体を岩に囲まれていて周りが言うほど高度感を感じることが無いし。いたるところにボルトやステップが取り付けてあるので用心して歩けば難易度的には難しくないだろう。
三角岩を飛騨側に巻きながら登ったら、今度はナイフリッジの通過。ここも足元にステップの鉄板が設置されていたりするので難しくない。でも用心して歩かないと足元は100mは切れ落ちてますので落ちたらさよならです
ナイフリッジを過ぎればグズグズのルンゼを登るのですが前のご夫婦が落しまくってたので通過するのを待って一気にクリアした。
ルンゼを抜ければ飛騨泣きは終了。個人差があると思いますが自分的には飛騨泣きは泣くほどではなくむしろ面白かった。前の長谷川ピークの方がよっぽどスリルありだ。後は北穂高小屋を目指して200mの登り。途中の展望台から見る滝谷の岩壁はものすごい迫力だった。
飛騨泣きから北穂小屋までもそれなりに岩場を登る。岩登りは効率よく高度を稼げるから周りが言うほど北穂の最後の登りはきつくなかった。
岩をガシガシ登ればいつのまにやら北穂小屋に到着し無事大キレット通過。怖い怖いといわれているがそれなりに整備されているので問題なし。それ以上にダイナミックで爽快な岩稜歩きが楽しめる良いコースだった。
以前友人のノノリンさんと登った時はガスで何も見えなかったが晴天の北穂小屋のテラスは素晴らしい!スタッフの人も気さくで良い人だし正直ここに泊りたいけど先は長いので休憩だけで我慢する

小屋の裏を少し登るだけで北穂高岳頂上に到着。ここも以前はガスで真っ白だったので展望に感動
さてお次は恐怖度は大キレット以上と噂の北穂高岳~涸沢岳に突入。その向こうに奥穂も見える。
まずは松濤岩のコルから涸沢との分岐を分かれて滝谷のドームの方向へ進む。下に北穂東稜が見える
奥穂のジャンダルムと並び称される滝谷のドーム。見た目から薄気味悪い岩峰だ。ルートはドームの左側を巻く。
ドームを巻いたら今度は20mくらいの岩壁をクライムダウン。ほぼ垂直に近く。足場が見えにくいしスタンスも狭い。おまけにクサリもなし。正直大キレットの方が簡単だろうと心の中で叫んでました
岩にしがみつきながらもそこから見える槍や大キレットに見入ってしまう。
クライムダウンが終われば今度は奥壁バンドという飛騨側のトラバース。足元は1200mくらい切れ落ちていて、ものすごい高度感です。
危険なトラバースが過ぎ岩屑の稜線をジグザグに下ると最低コルに到着。ここで単独のお兄さんとしばらく談笑。いうことはやはり大キレットよりこっちの方が嫌だということ。
次はこの区間の核心部である涸沢槍へ。とにかくこのコースは岩がもろく足場が悪い。
涸沢槍は頂上には登らず飛騨側をトラバースしながら梯子やクサリで登る。想像以上に高度感満点。
足元はグズグズなので浮石踏むと遥かしたにさよなら
涸沢槍を越えD沢のコルに着けばいよいよ涸沢岳への最後の登り
涸沢岳への登りは垂直に近いルンゼをよじ登る。最後の登りなんかは15mくらいあるらしい。でもここは穂高の岩を登っている喜びに浸れとても楽しく登った。
爽快な岩登りを終え無事本日最後のピーク涸沢岳に到着。ほんと感無量!最高の縦走です。
頂上でのんびり休憩して穂高岳山荘へ降りる。ジャンダルムの姿がカッコいい!
穂高岳山荘に降り宿泊の手続きを済ませたらテラスでビール。槍岳小屋で一緒になった人たちと乾杯。天気もいいし縦走最高だったしでビールが上手い
テラスでくつろいだ後は食事の準備。食材を整理して明日の分だけ残し頂く。今日はラーメンと五目御飯。食後小屋の裏に出てみたら笠ヶ岳に落ちる夕日が昨日に続いて綺麗でした。明日はいよいよ奥穂から西穂だがどうなることだろう?
3日目に続く





小屋の裏を少し登るだけで北穂高岳頂上に到着。ここも以前はガスで真っ白だったので展望に感動


3日目に続く
タグ :槍穂高
Posted by YT at 20:09│Comments(4)
│登山
この記事へのコメント
ご無沙汰しております。
どうなさってるかなと思ってたら、凄い!!
お天気も恵まれ、最高の気分を味わってるんでしょうね。
3日目、核心のジャンダルム
気になります。
無事帰ってるんですから、事故はなかったようですが
はらはらしちゃうよ
でも、実にすばらしい景色ですこと。
あ~、うらやましい、。
どうなさってるかなと思ってたら、凄い!!
お天気も恵まれ、最高の気分を味わってるんでしょうね。
3日目、核心のジャンダルム
気になります。
無事帰ってるんですから、事故はなかったようですが
はらはらしちゃうよ
でも、実にすばらしい景色ですこと。
あ~、うらやましい、。
Posted by 和たん at 2008年09月17日 13:00
和たんさん ご無沙汰しています。読み逃げしてましたが記録は見てますよ(^^)
3日目の記事を見ていただいたら分かりますが、その日は朝風が酷くリタイヤしました。天気は晴れていたのでどうしようか迷ったんですけどね(^^;
でも槍穂を無事縦走できて充分喜んでます。また秋にはご一緒しましょう。
3日目の記事を見ていただいたら分かりますが、その日は朝風が酷くリタイヤしました。天気は晴れていたのでどうしようか迷ったんですけどね(^^;
でも槍穂を無事縦走できて充分喜んでます。また秋にはご一緒しましょう。
Posted by YT
at 2008年09月17日 21:08

白出沢でしたか。
天候を見て、状況判断して決断されたんですね。
この道も大変ですが、無事お帰りなさい。
お会いできる日を楽しみにしてます。
相変わらず、素晴らしい写真ですね。
感動をありがとう。
天候を見て、状況判断して決断されたんですね。
この道も大変ですが、無事お帰りなさい。
お会いできる日を楽しみにしてます。
相変わらず、素晴らしい写真ですね。
感動をありがとう。
Posted by 和たん at 2008年09月18日 23:22
和たんさん 白出沢は穂高の稜線に登れる最短コースです。歩いてみてとても変化に富んだ良いコースだということが分かりました。上高地からのにぎやかなコースとはまた違う面白さがありますね。
Posted by YT at 2008年09月19日 12:36
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